夕闇の広がる空の下。
先日自分の生徒たちの真実を知り、任務に出る親友に別れを告げた青年は、今では本性を露にした少年に誘われて、ある場所に来ていた。
彼らの目の前には、全体を白い霧に包まれた大きな森が広がっている。
「…なぁ。ここって入れないんじゃないか?」
「入れるよ。オレが森に許可出したから」
森に許可って何だ、許可って?!…とは思ったが、決して口には出さない。
彼らがいるのは、里の最西端を呑み込む広大な森『霧幻の森』の入り口。そこは里の人間ならまず入らない、また入っても中には決して入ることのできない、特殊な森だ。
「武器とか装備した?」
「あ、あぁ。言われた通りにしてきたが」
「じゃあ今からオレは任務があるから、帰ってくるまでにこの森にある屋敷に辿り着いてくださーい」
「へ?それだけか?」
「うん。屋敷は前に一回見たことあるし、道は森が教えてくれるから大丈夫だよね。ただしその装備、必要になるから置いていかないでね。手当ての準備とかもしてあるから大丈夫。もし死に掛けてたら任務帰りに拾ってあげるから」
おいおい、ここってどんな森なんだ?そう思わずにはいられない。
がんばってね、と言い残して去っていかれた後、本当に入れるのか半信半疑で、彼は未知の森の中へと足を踏み入れた。



閑話休題1



 火の国のとある場所にて。街道沿いのそこは普段は明るく人の行き来も多い場所だが、夜の帳が下りている今は惨劇の舞台となっていた。
中天にある三日月の光が地面の赤い血の海と、ちらほら見える物言わぬ肉塊を照らし出す。もしそこを何も知らぬ者が歩けば恐怖に腰を抜かしたことだろう。
 だが、その血溜りに音も立てず降り立つ影が2つ、あった。
「……これで、おしまい?」
「おぉ。どうやら全部みてぇだな。で、こいつか?持ってるのって」
影の片割れである黒髪の青年が、地面に横たわる人間たちの1人の懐から巻物を取り出す。
 黒い暗部特有のマントから見える左の二の腕には、炎の刻印。首に下げているのは、木の葉の印を刻んだ忍の額宛。顔にはそれぞれ白い狐と青い龍を模した面。彼らは忍大国・木の葉の里の暗部であった。
今回二人に課せられた任務はこの巻物を奪い取ること。ランクはS。ただの巻物奪還なのに、一般の忍に課せられる任務より格段上なのは、その巻物と運ぶ者たちに問題があった。
火の国でも名の知れたある大名から他国の大名への、密書。内容は軍事に関わる事だと聞いている。それ故に、運んでいた者は他里の忍でも腕の立つものが多かった。
まぁそれも、この2人にかかれば、ほぼ瞬殺であったのだが。
「しっかし…えーと、13人、だっけ?他里はいいねぇ。こうやって一つの任務にたくさんまわせるほど人余ってて」
「ホントだな。こっちは人手不足だし、連日連夜で成長期の子供働かせてるし」
近いうちにその大名抹殺の指令が木の葉の里に送られてくるだろう。そうなればランクは上がり、自分たちがまた動かされるのは目に見えている。
「休み、ほしいよなぁ」
「…今度じっちゃんに【お願い】してみる、ってば!」
「お前のそれって、【お願い】じゃなくて【脅し】だろ。その姿で言うと余計こえー;」
「むっ。そんなこと言うクロの分は頼んでやらねーってばよ」
「げっ?!悪かった!俺も欲しい。だから、んなこと言わねーでくれ!な?」
「はいはい。じゃあ頼んでやるよ」
「…ったく、めんどくせーの。しかも俺クロって名前じゃねぇし」
さらりと黒髪の相棒の声を聞き流して、白狐の面の青年は被っていたフードと面を後ろへ追いやった。
現れたのは、地面に落ちる血のように深い紅の髪と、冴えた月のような金色の瞳。極上の美女と見間違う程の白皙の美貌とあいまあって、それは月神の化身にも見える。
相方にあわせてもう一人も青龍の面を取る。肩先より少し長めの黒髪を上で一部くくり、瞳は闇と同じ黒。少し目付きが悪いが、それが逆に冷静さを醸し出しており、顔の造作も美男と言ってもいい。

 知るものは、面を見ただけでわかるこの2人。
彼らこそ、任務達成率100%という以外は全て謎。ビンゴブックに名だけしか載せず、里にさえその容姿を知らない者が多いという、『月闇』と呼ばれる木の葉暗部の2人組。
今は禁忌とされる白狐の面の青年を『緋月』、里に1枚しかない青龍の面の青年を『黒焔』。共に闘神・軍神と恐れられる暗部トップの実力保持者である。

「ところで黒焔、いくつやった?」
「あー…5?」
「こっち8。オレの勝ちだな!」
にっこりと笑って緋月が言う。対する黒焔はガックリと方を落とした。どうやら何人倒せるか勝負していたようだ。
「ってなわけで、報告書よろしくv」
「…また負けた…;」
「オレに勝とうなんて、10年早いね」
「じゃあ10年後なら勝てるのかよ?」
「その時はオレもまた強くなってるとは思わない?」
「そう言うと思った…」
はぁ、と溜息をこぼす相方の肩を笑いながらぽんぽんっと叩いて励ます。笑った顔が憎らしいほど可愛らしいのだが、恨めしげな視線を送ってみても気にしない。
黒焔はもう一つ溜息をつくと、肩を叩く手を掴んでお返しとばかりにぐいっと引いてやる。緋月の体はそれにあわせて黒焔の腕の中へと倒れこむ。
「ぅわ。クロ?」
「クロじゃねぇっつーの。それより今2人きりなわけだけど」
「あぁ、うん。そうだな」
「そうだな、じゃなくて…この状況わかってるのか?」
空には三日月、目の前には愛しい人の綺麗な顔。奇しくも場所は少し悪いが、今なら邪魔するものは何一つない。少しだけ抱きしめる腕に力を入れる。
「あー、死体処理してないな。片付けないと」
「…期待した俺がバカだった;…なぁ」
キスしていい?黒焔が緋月の顔に手を添えて、耳元で低くささやく。彼がそれを苦手にしていることを知っての行動だ。緋月は顔を赤くして、ぎゅっと目を瞑る。その可愛い仕草すら黒焔には煽っているようにしか見えない。
「ちょ、いきなり、何?」
「黙ってろよ」
答えも待たずに顔を近づける。2人の距離が段々と小さくなっていき……


ガコンっ
「ってぇ!!」

あと数ミリといったところで、黒焔の額に石のような硬いものが飛来した。その痛さに彼は思わず声もなくしゃがみこむ。
「……っつ〜!!」
「大丈夫か?」
「ひ〜づきっ!!」
気遣う緋月の背後から不意打ちで勢いよく抱きついてくる者があった。朱雀を模した面をつけた、プラチナブロンドの美女。だが、彼は彼女に驚くこともなくそれを受け止める。
「よう、刹那。怪我はなかったか?」
「うん!緋月も大丈夫だった?」
「あぁ。お互い、お疲れ様。橘花も」
「緋月もお疲れ様」
視線を落とせば、うずくまる黒焔の隣には、玄武を模した面をつけるオレンジに近い茶髪の青年がいた。
彼らもまたビンゴブックに名だけを載せる、緋月・黒焔と同じ部隊に所属する謎多き暗部―――『刹那』と『橘花』である。
「黒焔、大丈夫?」
「放っといて大丈夫よ。そんなやつ」
「……〜っ。てめぇの仕業だな、セツ!」
「オーホッホッホ!どうやらあたしの婚約者に手を出そうとした罰が当たったみたいね!」
「てめぇの、じゃなくて俺の婚約者だ!」
「やかましい!このセクハラ魔人!」
「だ、れ、がっ、セクハラだ!そっちこそ引っ付き虫じゃねぇか!」
「何よっ。コレはあたしなりのスキンシップなんだから!」
「…また、はじまったね」
「そうだな。本当によくやるよ。飽きないのかな?」
いつの間にか開放された緋月と橘花がさりげなく、言い合いを続ける2人を道の端のほうに退かす。
そして緋月は印も組まずに手に青い炎を呼び出し、それを地面に落として血と肉塊だけを全て焼き尽くす。
「でもきれいだよね。浄化の青い炎」
「いいよな、俺達には出せないし」
「印も組まなくていいのって便利よね」
言い合いを終えた2人も、地面をなめるように這う炎を見る。緋月の出す青い炎は普通とは違い、植物や地面など自然は全く傷つけずに生き物だけを跡形もなく焼く、特殊な浄化の炎である。
よって暗部の任務時は、この炎を使うことが多かった。
「さて、任務完了」
「完了同意。で、帰ったらどうする?」
「あたし、久しぶりに4人で飲みたいなぁ」
「いいね、それ。おつまみ何にしよう?」
「お前は酒飲んじゃダメだろうが」
「炭酸で我慢するわよ。ね、緋月いいでしょ?」
「あ、悪い。オレこの後用事があるから」
懐中時計を確認して、緋月は3人の誘いを断った。それに刹那が不機嫌な顔で文句を言う。
「えー!そう言ってこの間も断ったじゃない。ここ1週間ほど早く帰るし」
「本当にごめんな、セツ」
「何かまた、俺たちに黙ってめんどくせーことやってるんじゃないだろうな」
黒焔が睨むように緋月に詰め寄る。彼は別にそんなんじゃない、と言ってそれを微笑んで軽く流す。
「ちょっと気になることがあってね。落し物になってないかな、とか」
「落し物って…まさか」
「そっかぁ。じゃあまたね、緋月」
「おう。サンキュ、橘花!じゃね、セツ、クロ。報告書忘れんなよ!」
「「あ!!」」
言うや否や、緋月は風のように一瞬でその場から消えた。あとに残されたのは3人だけ。
「…行っちゃった」
「チョウジ、何で行かせたんだ?」
「だって、ナルトだもん。教えてくれないときは、聞いても無駄でしょ」
「そーよねー。そこがまたミステリアスで、格好良いとこでもあるんだけど」
「あのなぁ…気にならないのか?」
「気になるけど、ナルが言わないんなら聞かないわ。ナルのこと信用してるし、聞きたきゃ追いかければいいだけだもの。きっとナルだってそう言うわ」
「うん、そうだね。イノの言う通りだよ、シカマル」
「…そりゃあな。しっかし、あいつ聞かなきゃ本当に何も喋らねぇな。何の用事で帰ったかぐらいは予想つくけど」
「え、嘘っ。何でいっつもアンタばっかりわかっちゃうのよ!!」
「そりゃ、俺だから。それでも、あいつはいつも一人で抱え込みすぎなんだよ」
口では文句を言いながらも黒焔は苦笑する。どうやら3人の意見が一致したようだ。こういう時、自分たちはよく似ていると、黒焔は思う。
「じゃあ目的地は、霧幻の森ってことで」
「ついでに裏庭の温泉入ろーっと!」
「あのなぁ…でも風呂入りたいし、どうせなら泊まるか」
「夜食あるかな?」
「そこまでは知らねー」
「久しぶりのお泊りね♪」
「でもさ、先に報告書、書かなきゃね」
「「あ………;」」
緋月のことに気をとられて報告書の提出を忘れていた2人に、橘花の一言が鋭く突っ込まれた。


「っいたたた〜!」
「ほら、動かないでよ。イルカせんせ」
霧幻の森の奥深くに位置する大きな屋敷のリビング。本日の特訓を終えたイルカは帰ってきた緋月…もとい、ナルトから手当てを受けていた。
2階から予備の湿布をとってきたハヤテがその様子に笑っている。
「今日はどれくらいだった?」
「オウカから聞いてませんか?」
「あいつには別件を頼んでるんだ」
「最近忙しいですね。それと今日は2時間46分でした」
「おー!!すごいじゃん!この間より早くなったね、先生」
前半の会話はよくわからなかったが、とにかく彼らに褒められたイルカは怪我の痛みに顔をしかめながらも、少し照れくさそうだ。
 イルカはあれから月影守の一員となり隠された真実を教えて貰ったはいいが、それではまだ仕事をするのに実力不足だと言われ、ナルトたちのもと、霧幻の森で修行をしていた。
この森は、他の場所とは違い特殊で、森自体が入る人を認識しているのだそうだ。実際に一度も入ったことのないイルカでも、何かに導かれるようにして、 今いるナルトの本当の家(というか屋敷)まで着けたのだから、それを信じないわけにはいかない。
だが、その道のりは恐ろしかった。最初は森に入って家に着くだけに武器がいるのかと思っていたが、入ってから着くまでは、彼にとってまさに地獄であった。どこからともなくクナイは飛んでくるし、火や水が襲ってくる、 避けて着地すれば地面に穴、大量の虫が襲ってくる幻術……etc. とにかくこれでもかと言わんばかりの罠の見本市だ。しかも毎回罠は変わるので覚えても意味がない。そして、それを避けて解いて進んでいくイルカは、着く頃には全身傷だらけである。
もちろん家には誰かが必ず待機しているし、かかった時間を計測する者がイルカを見ているので問題はない。だがこの罠の恐ろしさは知っていたので、さすがにイルカが少し心配でナルトは任務が終わるとすぐ家に帰ってきては手当てをしていた。
かくして、アカデミーの仕事が終わってから3日に2回、夕方から夜にかけて森の入り口から家に入るまでのを繰り返し、最初は5時間かかっていた道もどんどんかかる時間が減っていった。
「しかし、いつ見ても手当て上手だな。ナルト」
「そりゃあ先生が良かったんだって。大体、慣れてますから。暗部の任務時に、とか里の奴らにやられた時とか」
表情を変えずに慣れた手つきで包帯を巻いていく。イルカは言われた内容に一瞬気まずさを感じたが、ハヤテが機転を利かせて話題を変えてくれた。
「ところで、シカマル君たちに最近早く帰る理由、聞かれませんでした?」
「ん、今日された」
「でしょうね。そろそろだと思いましたよ。それで何か言いました?」
「いや、別に何も」
「…いいんですか?」
「うん。あいつら3人だし、要求しそうなやつは全て用意してあるし」
「あの子達が何か?」
イルカの疑問に、ハヤテは少々困ったように言う。
「何と言いますか…来るんです」
「はい?」
「遅い。もう来た」
ナルトが手当てを終わらせるのと同時に、玄関の扉が大きく音を立てて開く。
『お邪魔しまーす』
新たに入ってきたのは、数ヶ所衣服に破れのあるオレンジ色の髪の青年とプラチナブロンドの髪の美女、そして一人無傷な黒髪の青年である。
「…ずいぶん早かったですね;」
「や、いらっしゃい。報告書は?」
「こっちで書こうと思ってよ。ってか、何で今日に限って罠の道を通らされてっ、おまけに仕掛けられた罠数が増えてんだ?!」
「ただいま、修行のためトラップ強化週間中」
「もうっ、知らなかったおかげで、服破れたじゃないっ」
「お腹すいたなー」
「はいはい、文句は後で聞いてやる。とりあえず夜食の準備はできてるし、温泉も用意してあるから。どうせ泊まっていく気なんだろ?」
『もちろん!』
声をそろえて言う姿はまるで子供のようだ。だが見覚えのない彼らを、イルカはどこかでみたような気がしていた。
「ところで、ナルトの用事ってもしかして、イルカ先生の修行だった?」
「おう。やっぱりオレのことを知ってもらったからには、せめてカカシくらいには強くなってもらわないと」
「なるほどな。いざって時はあれくらいの実力がないと困るし」
「それなら罠の道を通る方が手っ取り早く実力つくわよね」
「それでナルトが最近早く帰ってたってわけかぁ。イルカ先生、お疲れさま」
突然オレンジ髪の青年に言われて、驚くイルカ。その様子を見て、自分たちが誰なのか彼が気づいてないことに、ようやく気づいたらしい。
笑ってすぐさま印を組み、変化を解く。煙と共に現れたのは、イルカもよく知る人物たち。
「シカマル、チョウジ、イノ?!」
「気づくのがおせーっスよ。俺らの今の歳に8歳ほど上乗せした姿に変化しただけなのに」
「仕方ないって。暗部姿見るの、先生初めてなんだし」
「あたしなんて髪短めにしてあるから、わかりにくいわよね」
卒業したばかりの教え子たちである。チョウジに言われて、そういえば彼らも暗部だとは教えてもらったが、こうやって直にその姿を見るのは初めてなのだと気づく。
「しっかし、先生もまだまだだな」
「お前たち…あの道を通ったのに、何でそんなに傷がないんだ?」
「僕らは何度も通ったことあるし」
「時々修行用に使うんです。もっともあたしたちのは、もう少しレベル上げたやつだけど」
「人によって罠レベル変わるんスよ、あの道。だからイルカ先生とは多分違うだろうし、俺らがさっき通ったあれで…上忍の中の上レベル、かな。ねぇ、ハヤテさん」
「そうですね。それくらいでしょうか」
ちなみに後でハヤテにこっそり教えてもらったところ、実は彼らと同じ道を通っており、修行1日目は上忍の中の下レベルだった、らしい。
「ところで、ナル。まだ先生の修行続くんだろ?」
「あぁ、そうだな」
「あたしたちも罠仕掛けるの、手伝っていい?」
「そりゃいいけど…いいのか?」
「今更だろ。それに仕掛人が1人だと、そのうちパターンが掴まれてくるだろ?だけど3人いれば掴みにくいじゃねぇか」
「そうそう。知ったからには、あたしたちも手伝うわ。ね、いいでしょ?」
「…そーだな。じゃぁ一緒にやるか」
快く承諾したナルトに、イノとシカマルは喜ぶ。それを聞いたハヤテは一人顔を青くしたが、イルカにはその意味がわからない。
「大変だね、イルカ先生」
隣にやってきたチョウジが、手にサンドイッチを乗せた皿を持ってイルカの隣に座る。
「きっとこれからの修行、きつくなるよ」
「何でだ、チョウジ?イノもシカマルも、修行のために手伝ってくれるんだろ?」
「だってあの2人、修行のためじゃなくて、イルカ先生に仕返しするために罠考えてるから」
仕返し、と言われても、イルカにはピンとこない。するとチョウジは笑って言った。
「ちょっととはいえ、先生、ナルトとの時間独占したからねぇ。それが原因だよ」
「ち、ちょっと待て!!それだけなのか?!」
「うん。でも少しでも一緒にいたいあの2人にとったら、大事なんだよ。それだけ大好きなわけだし。あの2人はナルトが絡むと暴走するから」
だから諦めて覚悟してね、とチョウジは告げる。それに冷や汗をかきながらナルトたちの方を見ると、一緒に罠を考えていた。イルカから見たイノとシカマルは、 いかにも何か企んでますと言わんばかりに嬉々とした表情で話し合っている。対するナルトはそれに気づいてなさそうだ。
――――そして唐突に思い出した。あの2人が、『木の葉の頭脳』と噂され、敵に回したくない者ベスト5に入っているという事実を。
イルカは明日からの修行を思わず想像し、顔を青くする。ハヤテを見ると同様に青い顔のまま首を振られる。諦めろということらしい。 今度は隣のチョウジの方を向くが先に、僕も親友として同じ思いなんで今回は止めないから、と言われてしまった。
先が思いやられる。イルカは溜息をついたが、とりあえず今だけは休もうと思いなおし、座っているソファに体を深く沈めた。



〜あとがき〜
修行に励むイルカ先生に、アイドル独占の報復をたくらむ木の葉のブレーン2人組。
だけどそれに気づかないナルトと、気づいてるけど言わないハヤテさん。
そして一番しっかりしてるのが、チョウジだというのがわかった話でした。
自分で書いててなんだけど、長っ!!